彼の瞳に捕まりました!
「マメなこって」
くわえていたタバコを灰皿に押し付けながら高瀬が素っ気ない声をだした。
「え?」
「社長」
「……」
返事が出来ずにいる私に、高瀬は新たにタバコを取り出すと口にくわえた。
「焦らしプレイ?」
「は?」
「ナホは得意だろ?」
吐き出される煙りと冷たい言葉。
冷笑という言葉がピッタリ当てはまるかのような表情を浮かべていた。
「な、に言ってんの?」
「焦らすだけ焦らして、捨てるんだろ?」
「はあっ?意味わかんないんだけど」
「ナホはそういう女だよって、大学時代から有名だけど?」
思考が止まった。
タバコを挟んだ指でハンドルを握り真っ正面を見つめる高瀬。
その横顔を穴が開くんじゃないかっていうくらい見つめた。
やがて信号で車が停まると、前を見つめていた高瀬がゆっくりと私の方に顔を向けた。
「なんてな」
意地悪な笑みを浮かべ、高瀬がおどけた。
その様子に、
「は?」
と気の抜けた声がでた。