彼の瞳に捕まりました!
「冗談だって、何マジになってんだよ。余裕のない女は捨てられるぞ」
「へ?えっ?はあぁぁぁ?」
「菜穂チャンがそんな器用なマネ出来るわけないよな」
馬鹿にした声。
意地悪な表情。
だけど、私の事は全て知っている。
そんな雰囲気。
「誘われたらやっちゃうし。気まぐれに女の子引っかけて飽きたら捨てる。そんな高瀬君に言われたくないし」
「……」
「なんで無言よ?」
「いや、ナホは俺の事知らねぇんだなってさ」
「知らなくないよ!ホントの事じゃない……こないだも暗室で」
そこまで言って、言葉に詰まった。
あの日、暗室のドアの前で立ち聞きしていた事を、高瀬に知られてしまう。
「暗室?」
「な、なんでもないよ……高瀬が寄ってきた女の子となんて、大学の時から有名だもん」
「ナホは、そういうのが最低なんだろ?」
「最低?」
呟く私の手に握られていた携帯電話がブルブルと奮え、電話の着信を知らせる音楽が鳴り響いた。