彼の瞳に捕まりました!
高瀬が前に
「金」
って、言った理由がやっとわかった気がした。
高瀬は大沢さんのアシスタントを楽しい思い出として話していた。
だから、きっとカメラマンとしての未来を、自分なりの夢を見ていたのだろう。
けれど、父親に起きた信じがたい現実に、夢を見ることを諦めるしかなくなったのだろう。
「察しの通りです。
行成には年の離れた弟がいます。
高瀬さんが事件に巻き込まれた時、弟はまだ中学生でした。
弟に好きなことをさせてやれないのは心苦しいからと、行成は私のアシスタントを辞める事を一人で決めました」
自分だってまだ大学生で、自分の将来を気にし始めながらも、遊びを優先しがちな頃。
私もそうだったし、浮いた噂に事欠かない高瀬も勿論そうだって、勝手に思っていた。