彼の瞳に捕まりました!


でも、違ったんだ。
自分の浅はかさに思わずため息がこぼれた。

いつも飄々としていて、何を考えているのかわからないから、想像すらしなかった。
高瀬の苦労を。
努力を……

「行成に辞める。そう言われて、私は変な意地がでました。
行成も折角入った大学を辞める事はさせない、きちんと卒業して就職させよう。高瀬さんにはたくさんお世話になっていました。恩返しというわけではありませんが、行成が苦労するのを黙って見ている事は出来ませんでした」

テーブルにのせた写真を見つめながら、大沢さんは話を続ける。

「辞める条件に、大学をきちんと卒業すること、カメラマンとしての将来を選ぶ事を約束させました。
その為の支援をする事を高瀬さんと約束して」


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