彼の瞳に捕まりました!
「麻生さんは、行成君の事をよくわかっているのね」
「え、そんなことは…」
無邪気な笑顔の和美さんにそう言われ、気恥ずかしくなって首を振った。
「そうかなぁ?
あ、コーヒー大丈夫だったかしら?」
「淹れてから言うか?」
あきれ声の大沢さんに和美さんはちらりと視線を移す。
「だって、聞こうと思ったら憧君が連れて行ったでしょう?
本当、せっかちなんだから」
頬をプクッと膨らませた和美さん。
そんな彼女が可愛らしかった。
「コーヒー大丈夫です。ありがとうございます 」
「本当?
良かった。甘い物も平気よね。
手作りだから不恰好だけど」
テーブルに置かれたコーヒーとケーキ。
コーヒーの香りとケーキの甘いにおいに緊張していた心がほぐれた。