彼の瞳に捕まりました!


「美味しそうですね」

たっぷりのクリームとフルーツが添えてあるシフォンケーキ。

「本当?
まだたくさんあるの、良かったらおかわりしてね」

和美さんは、大沢さんの前にも同じ様にコーヒーとケーキを置くと、

「ごゆっくり」

と、笑顔で戻って行った。

「すみません、気を使わせましたね。
遠慮せずにどうぞ」

「いえ。気なんて、とんでもないです。
いただきます」

いい匂いのコーヒーを飲み込み、

「美味しいです」

そう言って大沢さんを見ると、彼は少しだけこわい顔をして、私を見つめていた。

「大沢さん?」

「半年後」

「え?」

先ほどまでとは違う声音に、思わずカップをテーブルに戻した。


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