彼の瞳に捕まりました!
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「あーそーう」

編集長の抑揚のない声が部屋の中に響く。
編集長のデスクの脇で肩をすくめて小さくなる私に、編集長は大きなため息をついた。

「ちゃんとチェックしたの?」

赤ペンで訂正された原稿。
真っ赤に染まったそれを見つめながら、頭を下げた。

「すみません」

「謝りゃいいって訳じゃないでしょうが」

ため息混じりにそう言って、編集長は原稿を私に押し付ける。

「至急、訂正します」

「今日中ね」

「はい」

「あと、こっちもよろしく」

クリアファイルを乱雑に押し付けながら、編集長はまた長いため息をついた。

「高瀬に渡しておいて、こっちも大至急で」

「高瀬にですか?」

思わぬところで出てきた名前に心臓が音をたてた。



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