彼の瞳に捕まりました!


「さすが、編集長」

いの1番に賛成の声をあげたのが、同じ編集者の木村さん。
彼女は椅子から立ち上がると、周りに座る私達を見渡して、

「ほらほら、化粧直してこよう」

そう笑った。

化粧直しを終えて、身支度を整えると、編集長を先頭に、ぞろぞろと目的地に向かう。

会社近くのビルの中にある、イタリアンのお店。
アンティパストバーがあって、昼時は近隣で働く女性が多い。

昼間と違って、落ち着いた感じがする店内の奥にある、個室。

アンティパストが並べられたテーブルが部屋のすみに置かれ、その隣にはソフトドリンクが数種類並べられていた。

中央に置かれたテーブルの上には、ワイン数種類が置かれていて、お酒好きな先輩の瞳が輝きを増した。

ワインで乾杯をして、次々に運ばれてくるピザやパスタを食べながら、仕事の話し、会社の話し。
それからプライベートな話しをした。

編集長の失敗話しに、木村さんの武勇伝。
ベテランカメラマンの小此木(おこのぎ)さんの今まで1番厄介だった仕事の話しを聞いてはお腹が痛くなるまで笑ったり、冷や汗をかいたりした。

たくさん笑って、
たくさん食べて、
いつもより、たくさんのワインを飲んでいた。

最後に編集長が、挨拶をしている頃には、頭の芯がフワフワとしている様に感じていた。

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