彼の瞳に捕まりました!
エレベーターで1階に降り、エントランスを小走りで抜けると、近くの地下鉄の入口まで急ぐ。
迷路ともおぼしき通路を通り抜けると、改札を抜けた。
ホームには学生や会社員がたくさんいて、帰宅時間だという事に、今更ながら気がついた。
普段、こんな時間に電車に乗るなんてないからなぁ……
編集の仕事に決まった出社時間はない。
その日、その日の予定で出社時間や終業時間が変わる。
例え出社が早くても、早く帰れる事なんて稀で、毎日、終電の時間と睨めっこしている感じだったりする。
ざわざわと賑わう電車に揺られながら、目的地を再度確認した。
浅川社長が指定した場所は、オフィス街から少し離れた、お洒落に敏感な人達に人気の街。
街の中心より少し外れた所にある、ビストロ
そこが指定の場所だった。