ヴァンパイアヒューマン−桜−
涙が零れているサラをウィルはそっと抱きしめた。
『アイツらが許せないのはわかる…でも…でもサラまでアイツらと同じ人殺しになってしまうだろ…』
ウィルは抱きしめるサラに優しく告げた。
『ウィル…』
サラの目から零れた大粒の涙が、ウィルの胸を濡らした。
すると、斬られて倒れている幼いミーナの指が僅かにピクッと動いた。
それを見逃さなかったサラは、幼いミーナに駆け寄った。
『良かった…まだ…まだ生きてる…』
サラはそう言って、自らの爪で自らの左腕を切り裂き、その左腕の傷口と幼いミーナの背中の傷口とを合わせた。
『サラ!?』
ウィルはそんなサラの姿を不思議そうに見つめた。