ヴァンパイアヒューマン−桜−
『バダックから話は全て聞いています。行きましょう、あなたたち二人の迷いを取り払いに…』
リリアはそう言って、王座から立ち上がった。
『えっ?行くって…どこにだ?』
ラッセルは戸惑いながら尋ねた。
『過去にです。ついてきて下さい』
リリアはきっぱりと答えた。
そしてリリアは歩きだし、奥の部屋へと2人を導いた。
『か、過去って一体…』
ラッセルは不思議に思いながらも、言われるがままにハートと一緒にリリアの後を追った。
3人がやってきた場所は、部屋の真ん中に魔法陣みたいなものがあるだけで、それ以外何もない真っ白な広い空間の部屋だった。