ヴァンパイアヒューマン−桜−


自分の状態の事は自分が1番わかっていたミーナにとって、ジャックのその言葉が胸に染み込んで涙が止まらなかった。


『もし…もし、ミーナ様が星になるのが怖くてたまらくなって、もっと生きたいって思ったなら…そのときは私の血を吸ってください。私は血を吸われてもゾンビになりませんし、死にもしません。ずっとずっとミーナ様をお守りするために、共に生き続けますから…』


ジャックがそう言うと、ミーナは涙を流しながら首を横に振った。


『大丈夫、怖くない…怖くなんかない…』


ミーナがそう言うと、ジャックはミーナの頭をそっと撫でた。


ドアごしにそんな会話を聞いていたクロードは、仲むつまじい二人の様子にクスっと微笑みを浮かべて立ち去った。



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