ヴァンパイアヒューマン−桜−


『待って、ラッセル!!追わなくて良いわ』


ミーナは、少年を追いかけようとしたラッセルを呼び止めた。


『えっ…しかし、ミーナ様…』


ラッセルは戸惑いながら立ち止まった。


『あの子…あの子、凄く冷たい目をしてた。あたしが初めてジャックと出会った時、ジャックもあの子と同じような目をしてた。だからきっとあの子もジャックと同じように辛い過去を生きてきたんだと思う』


ミーナは昔の事をふと思い出しながら告げた。


『ジャックと同じようにって?』


ラッセルはミーナのその言葉が気になった。


『ジャックはね、幼い頃に親に捨てられて…路頭をさ迷っていた所をバロンに拾われたの』


ミーナはジャックの過去を話した。



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