My Love―お兄ちゃんとどこまでも―
“「告げ口したら、俺はお前らを殺す」”

私だけなら、こんな脅しは許せるんだ。

だけど、母親はお兄ちゃんを殺されては困る。

巻き沿いにするなんて、絶対に嫌だ。

冷めた缶コーヒーを飲み、凍死を願ったのは何度目だろう。

私が今18なら、もう3年になるかも知れない。

体にある痣が、青から赤に変わるなんて。

小さくなったなんて――…。

私が、あの人を殺したい。

実の父親が生きてくれてたら、幸せだったのかな。

お兄ちゃんと兄妹として、出会わなかったのかな。

…教えて、パパ。

パパはどこに居るの……?

イルミネーションにも負けず、強く光る星を見上げてると、“沙亜矢”と、呼ばれた気がした。



「パパが、呼んでくれてる……?」



これはきっと、お迎えが来た合図だ。

私たちは親子の絆で結ばれてる。



「―――沙亜矢ッ!!」



しかし、後ろから声が聞こえた瞬間、ハッと現実に戻されたような。

目が覚めたように、視界がクリアになった。



「ごめんな?寒かったよな……」



自身が着ていたコートを、私の肩に掛けてくれたお兄ちゃん。

温かさに感動するも、やっぱり涙なんてなく。

正面に屈むお兄ちゃんを見つめて居た。
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