ボクは桜、キミは唄う
男の先輩は唇をなめると

「遠慮なく」

と言って、私の両手を押さえつけ、胸に顔をうずめた。

「やっ」

パシャッ、パシャッ。

そんな姿もマネージャーが撮影する。

隣の高田先輩まで携帯を私に向けた。

もうダメだ。

叫び声すら出ない私は恐怖と悔しさで泣く事しかできない。

男の先輩は私が暴れてもびくともしない。

もうこのまま全てを失うの?

そう思った時。

ザザッ。

突然覆い被さっていた男が隣に吹っ飛んだ。

目を開けて見れば、吹っ飛んだ男をさらに殴りつけてる男の人がいる。

< 168 / 366 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop