ボクは桜、キミは唄う
全部を柚木君に背負わせて。

疲れさせた、私。

柚木君は、今でも誰とも付き合えないほどに悩んで迷っていたの?

今でも苦しんでいたの?

それなのに、ナカちゃんや北川君を盾にして、「平和だな」なんてつぶやいてたなんて。

柚木君がちゃんと歩き出せるように、私がもっとしっかりしなきゃいけないんだ。

誰かに守られるんじゃなくて、1人で歩き出さなきゃ、柚木君も前には進めない。

「私……」

口を開いた時、アキちゃんが両手を口もとに運び、目を潤ませた。

「楓花ちゃん、今の、聞いてた?」

「え?」

考え事している間に、柚木君が何かを言っていたみたい。

「私、ナオも大事な友達だけど、でも人の気持ちってどうしようもないもんね」

ナカちゃんも、うんうんと頷いていた。

「やばっ。あいつら来る!!」

見ると、やっと話し終えたらしい二人がこっちに向かって歩いてきていた。

「エレベーターじゃ間に合わない。階段だ」
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