海上船内物語



「とにかく、俺は“海賊”の存在が許せない。死神船のメンバーは全員、海賊に恨みを持ってんだ。親を亡くされた奴、友人を亡くされた奴、まだまだ酷い奴だって居る。」

「じゃあ、ウルもか?」

「当たり前だ。俺は昔料理屋の息子だったんだが、海賊に店を壊されちまった。両親は見せしめに殺されるし、俺は逃げることしか出来なかった。無力だ」



向こう側の海が晴れて来た。
厚い雲から太陽の陽が射す。


「だから、カイル。お前も強くなれ。死神船の船員である以上、海賊に立ち向かって行く力が必要だ。」


「・・・・・・・・・・・・あぁ、」


「ま、お前は居るだけで面白いからそれはそれでいいんだけどな!」


「どういう意味だよ!」


からからと笑うウルを見て、少し心が軽くなったような気がするカイル。
市の門でクルト達船員が手を振っているのが見えた。


「お、呼んでる。空も晴れてきたし、船出すか!」

「おう!」



カイルとウルは、堤防から歩き出した。






< 50 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop