あたしの純愛
1
止めたがいいよ。
相手がいるんだし。

不倫て…やっぱだめなのか。


一般的な忠告を何度も浴びながら、思う。


でも、好きになってしまったらどうすりゃいーんだ。


やたらと濃いコーヒーをちびちび飲みながら、ため息をつく。



相手がいることくらい、わかってる。
でも、気づいたらあたしの心に彼が居て、
目が合うだけで、少女マンガのヒロインみたいにドキドキしてしまう。

だからって、他人様のものなんだ。だめだめ、止めよう。

ぐるぐると巡らせる。コーヒーを飲んでまた、ため息をつく。

「どうしたの、ため息ついて。」

急に声がして、少し驚いた。
「あ…瀬田さん。」


一気にからだが熱くなる。

ほらね、やっぱりね。
からだは正直だ。
好きだと思う人を、ただ純粋に好きでいることの何が悪いんだ。と、あたしは思った。
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