あたしの純愛

瀬田さんは一回り以上うえの先輩で、
結婚もしていてもちろん奥さんもいる。
子供はいないみたいだけど、奥さんの両親と同居してるんだとか。


そんな家庭をもった人を好きになるなんて、絶対に有り得ないと思っていた…自分が甘かった。



「そういえば、この間の会議資料、ありがとうね。お陰でなんとか間に合ったよ。」
そう言ってにっこりと笑う瀬田さん。

たかが、コピーして人数分を用意したくらいのいわば雑用なのに、
感謝を怠らない瀬田さん。加えてその笑顔。

そんな瀬田さんに
あたしはもう、きゅんっとせずにはいられなかった。


頭が少し薄かろうが、あたしにとってそんな事はどうでもよかった。


ただ、あなたのその心にあたしは、とてつもなく惹かれたのだった。