Rest of my Prince

├後編

 芹霞Side
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「Zodiac、結局何処にいるのZodiac~!!!」


「うるさい!!! 黙って鯛焼き食べる!!!」


弥生に頭を叩かれた。


中庭に続く渡り廊下には、軽食コーナー。


桐夏名物"カオス鯛焼き"


あんことクリームとマーガリンと抹茶とチョコが混ざった…一見吐いてしまいたくなる鯛焼きは、食べれば病みつきになるおいしさで、これを食べずして桐夏祭を語ることなかれ…とも言われる看板メニュー。


ケチで有名な弥生のオゴリとあって、辛抱強く長蛇の列に並んで…20分かかってようやくあたしのものになった。


鯛焼きのお腹に刻まれた、桐夏校章からがぶりと食いついたあたしは、満面の笑みを浮かべて幸せに酔った。


「Zodiac狂いのあんた動かすのに、こんな…オトメの大敵の鯛焼きでいいなんて。単純で複雑っていうの、芹霞の為の言葉だよね」


長い髪をさらりと掻き上げて、弥生はダイエットペプシを口に含む。


「由香ちゃんにも食べさせて上げたかったね。由香ちゃん…朝から見掛けないけど何処にいるんだろう? 今日皆で一緒に廻ろうっていう約束、覚えているのかなあ」


「今更!!? あんた由香りん処から此処に来た記憶…ないの、そう。うふふ、もう…馬鹿さ加減に笑うしかないよね」


弥生が…怖い。



その時校内放送が鳴って。



『生徒会から皆様にお知らせです。只今より、我が校卒業生であり芸能界でご活躍されている"Zodiac"による、母校凱旋ライブを講堂で行います。つきましては~』



「Zodiac!!!」


あたし同様に、黄色い声を上げて飛び上がる女子多数。


あたし同様、講堂に駆けつけようとする女子多数。


他に負けまいと、あたしは戦闘態勢に入る。




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