Rest of my Prince
 


「さ、さすがは師匠。一途だね。葉山は?」


「私は…3秒?」


「うーん、何て初々しいんだ。やっぱこういう子もいないとね。で、神崎君は?」


「あたしは…やっぱ15秒くらいかな」


「へえ、紫堂と一緒なんだ。へえ…ぴったしなんだ」


それはとても意味ありげで。


「遠坂~、答えは何だよ!!!」


煌がむくれた顔つきで問い質せば、


「"満足出来るキスの長さ"」


そして更に三日月型の目をして、「むふふふふ」と笑った。


「葉山が一番常識派。如月は質より量派。師匠は量より質派。紫堂は…君だって十分長すぎるけど、紫堂が満足出来る時間が、神崎は丁度いいのか」


「へ、へえええ!!?」


動揺して真っ赤になる芹霞。

少しだけ…嬉しそうな切れ長の目。


何だか面白くない。


櫂と芹霞の秒数が同じだったと言うだけで、面白くない。


櫂が相手なら、互いが満足出来るとでも思ってる?

相性がいいんだ、なんて思ってるの?


「時間なんて関係ネエだろ!!?

愛は回数だ、な!!!」


煌が芹霞の腕を荒々しく掴むと、


「てめえは、盛り過ぎなんだ!!!

この万年発情犬がッッ!!!」


桜が煌の顎を蹴り飛ばした。

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