Rest of my Prince
 
男達の発言を思い返せば、あたっているだろう。


僕にとって芹霞もまた、"刺激的"で。


そして芹霞が好きなタイプというのは…


――見掛けは綺麗系で無駄な装飾がなく、実際安くても安く見えないような適度な高級感が欲しい。少し変わっていても、普通じゃ手に入らないような、何らかの魅力があるものがいいな。


単純そうで複雑。

まるで具体性がない。


そう思っているのは僕だけじゃないはずで。


「時計の意味としては、ズバリ"好きな人"をどう思っているか、です!!」


何だか皆切実で、そして凄く"好きな人"を身近に感じていて。


芹霞への想いは半端じゃないということを再認識させられる。


なければ不安になると答えたのは僕だけで、櫂も煌も、いつでも傍にあるのが当然と言わんばかりの強い解答で。


そこが、幼馴染か否かの違い。


――貴方が櫂の従兄の玲くん?


真なる"幼馴染"を介した出会いに、僕の存在などそれ以上に高まることはなく。


僕だけの優位性はあるのだろうか。

僕だけの特別性はあるのだろうか。


そればかり最近考えてしまう。


僕を見て欲しい。

僕を意識して欲しい。


このままだと多分僕は、報われぬ辛さ故に暴走してしまうだろう。


"僕"が騒ぎ続けている。


早く芹霞を手に入れろ、触れさせろと騒いでいる。


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