Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
「お前、俺と結婚しろ」
「……」
「返事は?」
「……」
「おい」
ハッ!
意識なくしてた。
「し、社長、真面目な顔で下手な冗談は止めて下さい」
冗談に決まってるよね。
それとも、聞き間違いだよ。
「誰が冗談言ってるんだ」
「し、社長が」
「俺は冗談は言わん」
「そ、それが冗談…」
またまたギロッと睨み
「人が真面目にプロポーズしてるのに冗談なんて言うお前は失礼な奴だ」
「プ、プ、プロポーズ!」
「声がでかい」
「す、すみません」
あ、ありえない。
社長様が、プリンスチャーミングが、暴君ネロが…プ、プロポーズなんて!
そ、それも秘書の、侍女の、奴隷の、私に!
ありえないわよ。
「何、口をぱくぱくさせてる。虫でも捕まえる気か」
何かある。絶対何か裏があるに決まってる。
「その疑い深い目はなんだ?」
「何があったんですか?誰か女の人に結婚迫られて逃げる為ですか?それともお金持ちのご親戚から妻がいないと財産渡さないとか言われたんですか?」
この社長様ならとんでもない状況でもありえる。
「お前…マジに失礼な奴だな」
怖い顔で睨まれた。