Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~
う~ん 残業しなくて助かったわ。
「よぉ!」
「あっ、先輩」
仲のいい企画課の先輩。
「風邪引いたって 大丈夫か?」
「ありがとうございます。もう大丈夫ですよ」
「うん、今から帰るのか?」
「はい」
「じゃあ 俺、今日車だから送ってくわ」
「わっ!いいんですか?」
助かる。やっぱちょっと疲れたから。
…うん?
えっ?
な、何?
さ、寒気がするんですけど!
「あっ、社長 お疲れ様です」
社長?
「あぁ、お疲れ」
振り向くと そこには…黒いオーラを纏った社長様が私を見下ろしていた。
「悪いけど、ちょっと見つからんデータがあるんだわ」
「は、はい。分かりました」
先輩の方を向いて
「先に帰って下さい」
「いいよ、待ってる」
社長は先に戻って行った。
先輩はあの黒いオーラに気づかなかったのかな。
「ううん。いつ終わるか分かんないし…どうせ車ってことはデートなんでしょう」
先輩には可愛い恋人さんがいる。
「からかうなよ。…じゃあ帰るけど、あんまり無理すんなよ」
「ありがとう。じゃあ」
「あぁ」
はぁ~
結局 残業ね。
データが見つからないだけで、あんだけご機嫌悪くなるんだから…帰れそうにないわ。