Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~




「兄の大事な人なんだから…」

はぁ?

「あのぅ、何か勘違いされていませんか?私は、単なる秘書です」

「でも、兄にとっては特別な人でしょう?」

「違います」

「恥ずかしがらないで。兄がこの家に女性を入れるのは初めてなのよ」

「えっ?」

「兄は、どうしょうもないでしょう。俺様で我が儘で意地悪で…貴女の事も虐めてるみたいね」

何で知ってるんだろう。

「フフフ、貴女の会社の副社長ね、私の婚約者」

婚約者…副社長の?

「えっぇぇぇぇ」

「フフフ…ビックリした?」

「は、はい」

「彼からね、貴女の事は聞いてるのよ。あの兄に一年半も仕えてるって」

「だから、秘書ですから…」

「兄の事…嫌い?」

「えっ?」

嫌い…じゃないわよね。

でも…好きかって聞かれたら

「兄は貴女が好きみたいよ」

何故か赤くなる。

「フフフ…貴女って可愛いわね。さ、今は兄の事なんて忘れて眠りなさい。あっ、それとも先にご飯食べる?」

ご飯?

「い、いえ、食欲ないです」

「そう。じゃあ一眠りしてから食べたらいいわ。お休みなさい」

部屋を出て行こうとするのを

「ありがとうございました。おやすみなさい」

妹さんは、ニッコリ笑って部屋を出て行った。

彼女さんじゃなかったんだ。

妹さんだったんだ。
――



私…何か変?

あの人が恋人でなく妹さんであることに…ほっとしてる。

どうしてなんだろう?

分かんない。

あ~考えるのは明日にしよう。

今は…ただ眠りたい。

< 92 / 452 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop