好きとごめんのその先に


「自分で歩いて行く」


「え?」



体がこの空間を拒否している。



このオトナの香りに全身を包まれたくないって、そう思った。








「…わたし、オレンジの香りが好きなの」


「…?」



それだけ言い残し、分からないという表情の彼に背を向けて歩き出す。





「夕梨亜。ちょっと待って」



すぐに腕を掴まれて引き止められた。
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