好きとごめんのその先に
ピンポーン
今度は家のチャイムが鳴った。
パパが出てくれたようで、下から話し声が聞こえる。
しばらくして、部屋の扉が開けられた。
「うわ。もう来たのかよ」
途端に、嫌な顔を露骨にさせる奏多。
「奏多くんこそ、まだ居たのか」
「何だよ。悪いかよ」
悪態をつき合う2人。
こうなることは想定内だったけど…
忠見さんにもチョコを渡す為、放課後に来て欲しいと言ってあった。
そのことは奏多にも伝えてあったし、了承も得ていた。
……にしても、よく考えれば何だか不思議な感じ。
彼氏の目の前で別の人にチョコを渡すなんて。