好きとごめんのその先に
あの時…キスされたって聞いた時、なんて言えばよかったんだろう。
嫌だって泣いていたら、奏多は抱きしめてくれたのかな。
今頃こんなことにはなっていなかったのだろうか。
…そんなどうしようもない後悔が、容赦なく胸を巣食う。
…相手の名前、何だったっけ。
ちゃんと覚えておけばよかった。
動揺して忘れちゃうなんてそんな凡ミス、どうかしている。
「夕梨亜ちゃん、1限目は現国だよ?数学じゃないよ」
「え…?」
…ほんと、どうかしてる。
無意識に数学のノートを手にしているなんて。
「大丈夫?」
「あはは、大丈夫だよー」
これ以上心配させないようにと、笑って見せた。