好きとごめんのその先に


ひらひらと、小菊の花びらが一枚、風に舞った。



…そう言えば…



「このお花、奏多が毎日替えてくれていたの…?」



いつも新しいお花が差されていて、枯れているのを見たことがない。



雑草なんて全く生えていないし、石も水も、何もかも綺麗に保たれている。



きっとパパがお世話してくれていたのだろうけど、でもあんなにこまめな手入れ、他にもいるはず。



じゃあ一体誰が、なんて疑問、呆然とずっと抱いていた。




だけどさっき高山さんと話したとき、ふと確信したの。



「奏多がずっと、ママのお墓のお世話をしてくれていたんでしょ?」



こんなにわたしの家族を大事に思ってくれている人なんて、奏多しかいないじゃん…






「ここ、タロウの散歩コース」



そう言って、にかっと笑ってはぐらかす奏多。



優しい奏多はやっぱり、“そうだよ”とは言わないんだね。
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