好きとごめんのその先に


「夕梨亜」


「…はい」



わたしの名を呼ぶ彼に、さっきの胡散臭い微笑みはない。



なにかを決意したような、鋭い目で見られる。





「あの子と別れろとは言わない。

…だけど、最後に気付くだろう。夕梨亜には俺が必要だってことが」



「……」






なんて強情な言葉。



そんなの、…ありえない。



何があったって、わたしはきっと奏多を選ぶ。



結婚なんてするわけがない。




…ないよ。
< 47 / 428 >

この作品をシェア

pagetop