好きとごめんのその先に


「…まあまあ、こんな話を急に受け入れろだなんて無茶だろうし、今日はこれくらいにしておこうじゃないか。
すぐにっていうわけではないんだ、じっくり話し合えばいいさ」



しばらく黙って聞いていたお父様がわたしたちを諭す。



「そうだな。
…だが、まだ時間はあるとは言っても半年後だし、それにこの話はほぼ決定だ。夕梨亜には心の準備をしておいてほしい」


「……」



…何がどうなってこうなったのか、聞けば聞くほど、本当に理解できない。



そんな理不尽なことを言うだけ言って、この後忠見さんたちは帰っていった。




一方的に贈られた指輪は、返しそびれてしまった。
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