豹変上司に初恋中。
「~♪」
鼻歌を歌いながら誰もいない休憩室に入り、自販機の前に立つ。
「♪ ……」
ココアを買って椅子に座ろうとした瞬間、真っ青になった。
「あ、足!?」
ソファからはみ出ている長い脚。
人がいたんだ……
鼻歌とか歌っちゃってたよ、恥ずかしい。
口元を抑えつつ、その人が起きていないか、チラッと覗き込んでみる。
その顔に、私は再び驚いてしまった。
「す、……編集長」
服は少し着崩して、しかも、眼鏡をとっている。
「……呉羽」
「あ、あの、誰か来ちゃいますよ。眼鏡……」
「呑気に人の心配か。残業報告、9時までって話じゃなかったか?」
時計を見ながら、むくりと起き上がった。