豹変上司に初恋中。

ご飯を全部食べた後、昴さんは薬も渋々飲んでくれた。


「ごちそーさま。……美味かった。ありがとな」


昴さんはにっこりと笑みを浮かべた後で私の頭を撫でたあと、布団に倒れ込む。

「はー……呉羽」

「はい」

呼ばれて、返事を返すと昴さんはドアの向こうを指差した。

「悪い、寝る。この部屋出て、左に佳代……というか、来客用の部屋あるから、」

使って、という前に昴さんは目を閉じる。


佳代さん……そっか、妹なんだもんね。
理解しつつも、ちょっと佳代さんが羨ましい。

「分かりました」

と、一応答えて私は床に座り込んだ。


勿論、使うつもりなんてなかった。
だって、看病のために来たんだから。

暫くして、ベッドから聞こえる規則正しい寝息。

長めの前髪に隠れた、端整な顔を見つめる。

「好きです、」

ちゃんと言えなかった告白。

「……なんて、ね」

まだ面と向かって言えないけど。
今は、これでいいかな。



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