びたーちょこれーと。






「……」


霜月は黙り込んだ。



「………」


私も黙る。



ここは人通りの少ない、静かな廊下。

部活の声。

誰かの話し声。



遠くで響いている。



「……俺に悪いところがあったなら直すよ」


ありきたりな返事。


「霜月が悪いんじゃなくて……うちが、一方的に気持ちを区切りを付けたいの」



上手く自分の気持ちを伝えられない。



傷付けたくないって、臆病な私が囁く。



言葉を選んでしまう。


でもこれが反って相手を傷付けているのも、うちはわかっていた。






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