びたーちょこれーと。
「なんだか卯月と話せないの寂しいねー」
睦月の何気ない言葉にキュンとしてしまった。
「そうだな」
「……え!?」
いつもの俺なら「あっそ」とでも言うところなのにな。
「俺も、お前と離れるの寂しい」
「……!」
俺は急いで走って家に帰った。
チ キ ン
初めて、少しだけ臆病者を脱出した瞬間だった。
引退試合は行かなかった。
もう睦月には会わないほうがいいと思ったからだった。
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