びたーちょこれーと。






「俺、最近になって気ィ狂ったのかも」

卯月は自分の髪をぐしゃぐしゃと掻き乱した。



「中学卒業と気持ちは捨てたつもりだった
でも、無理だった」


照れ隠しなのか、卯月が珍しくよく喋る。


「捨てずに居てくれて…ありがとう
うち、夏祭りで気持ちに気付いたんだ

未琴ちゃんが背中押してくれたから、素直に卯月を好きで居られた」


「俺も水無月に喝入れられたからなー」



うちは思わず笑った。


「未琴ちゃんはうちらの恋のキューピッドってとこかな」


「だな」

卯月も笑って窓の外を眺める。



夢を見ている気分だ。

まさか、叶うとは思ってなかったんだよ。






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