もう一度だけ。


「凄いね」

「なにが~?」

「・・・なんでもない」



陸や隼、雄大に普通を求めちゃいけないように倖凱(もとい紗織)にも普通を求めちゃいけないんだった・・・



「ところで何で呼んだの?」

「そうそう・・・コレ今日中に倖凱が1人でやって♪」

「美舞・・・本気で言ってるの?」


倖凱は唖然とした表情で目の前の布の山を指差した


「本気
全部綺麗にハチマキとゼッケンにしてよね」

布の山を眺めてしばらく考えた後に倖凱が再び言った


「出来ないって言ったら?」

「もう2度と家に泊めない」

「ありがたくやらせてもらいます」

「よろしい」





それから一応あたしも手伝って布をひたすら切って縫ってを繰り返した


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