華麗なる偽装結婚
――「さっきの…、冗談だよね。
陸に話す事なんてないだろ。
………。
まさか。
これが偽装結婚だとでも言いに行くつもり?」
ホテルから出て、そのまま支店のショールームに向かう車の中で彼女に訊ねた。
「……」
彼女は膝の上にパソコンを置いてカタカタと打ちつけながら画面から目を離さない。
「ねえ、阿美子。答えて」
美しく華やかに変身した彼女の全てから放たれる色気と気品が俺を駆り立てている気がする。
阿美子と陸を二人にしてはいけない。
先ほどの阿美子の発言の意図が知りたくて執拗に訊ねる。
「別に。……何も。
社長がおかしな事をして私をからかわなければ、陸さんにお会いする必要はないですわ」