華麗なる偽装結婚
「さっきは驚いたよ。
あんな風に意見するなんて、本当に君は優秀な秘書だね。
君のお陰であの場を切り抜けられた。
……ありがとう」
「………そんな。
思ったままの事実をお伝えしただけですわ。
社長の事は本当にいつも尊敬していますから」
「………それは、社長としてだけ?
男としての魅力は無しなのかな」
「……からかわないで下さい。
そんな気持ちはありません。
社長は私をからかうのがお好きみたいですね」
………。
からかってなど……。
その時、先ほどいた場所から陸がこちらをじっと見ている事に気付いた。
俺と彼女の様子を観察しているのか……。