華麗なる偽装結婚

社長は壁に手をついてそっと屈んでくる。

うわ。
うわ。

ど、どうして…。

私は逃げ出す事も出来ずにギュッと目を閉じた。

閉じた瞼の向こうがフッと暗くなる。

ええ!?本当に?

私は唇が触れる覚悟を固めて、その時を待った。

…………。

アレ?
………来ない…?

しばらくしてからそーっと目を開けてみる。

「ぶっ!!」

「きゃ!!」

社長が堪えていた笑いを吹き出したのと、
私が社長の顔の近さに驚いたのが

………ほぼ、同時だった。


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