華麗なる偽装結婚
チュッ。
一瞬の出来事だった。
「えっ」
「あ」
驚いた声を出したのも同時だった。
今……、触れた?
お互いに唖然としながら相手の顔を見つめる。
「あ、…あの…」
「あ、…ごめんね?
当たっちゃったね…」
社長はサッと私から顔を離すと社長室へと歩き出した。
「………」
私はそんな社長の背中を見つめながら固まっていた。
するとピタリと足を止めた社長がポツリと言った。
「……色々…ごめん…」