華麗なる偽装結婚
「…いや、そんな。
怜さんの目をこちらに向けようと必死なのは私の方ですわ。
せいぜい、よそ見されたりしないよう努力致します」
不穏な空気を読み取り阿美子が口を挟む。
「…そうですか。
ますます気に入りましたよ、阿美子さん。
これから親戚になるんだ、遠慮せずに何でも相談して下さいね」
陸がすっと差し出した手を阿美子が嬉しそうに笑いながら握る。
そんな様子を俺は冷ややかに隣で見ていた。
――――「……うわ。
……驚いたな。
阿美子ちゃん、スタイルいいんだね」
ミニ丈のスカートの下から伸びた細く長い脚に俺の目は釘付けになった。
「…恥ずかしいです。
こんなスカート、はいた事ないわ。
社長が一番短いものを、なんて言うから……。
午後は会議の予定があるから後で着替えますよ」
彼女は俺が選んだミニ丈のフレアーワンピースを着こんだ自分を信じられないような顔で見下ろしながら言った。
どうしてすぐに脱ぎ捨てたいだなんて思うのだろう。
まるで阿美子ちゃんに着せるためだけにあるもののように似合っている。
そんな魅力的な彼女を見て俺は胸が高鳴っていた。