双子ですけどなにか?【修正終わりました】
【彩花】キスの理由


どうしよう……。


もうすぐミスコンの準備が始まる時間のはず。


私が行かなければ、生徒会の誰かが気づいて、探してくれるはずだ。


着替えの手伝いをしてくれるはずだった、里美先輩がきっと気づいてくれる……。


それにしても晴人は、今頃どうしてるかな。ショックを受けて、帰っちゃったかな。


晴人、里美先輩、そして健先輩のことを思い出すと、心が暗く重たくなっていく。


もう、見つけてもらえなくていいや。ここでミイラになろう。お父さん、お母さん、ごめんなさい……。


ヤケクソになって、そんなバカな事を考えだした。


その時。カチャリと、南京錠が開けられる音がした。


「……!」


誰か助けに来てくれたのかと思って期待して入口を見上げたら、少しだけ開いた戸の間から、知らない制服が見えた。


「本当に良いのかよ」

「好きなようにすればいいよ」


知らない制服と、さっき聞こえた女の子の声が会話をする。


その内容は、あたしの全身に鳥肌を立たせた。


「よぉ、邪魔するぜ」


「マジかよ……本当に美少女じゃねえか」


「でもこいつ、どこかで……」


知らない制服は、三人の男だった。


彼らが倉庫に入ってくると、また戸が閉められた。

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