双子ですけどなにか?【修正終わりました】
里美先輩が、顔を上げた。
「あんた、去年までは会長とラブラブだったのにね」
「後輩に取られた途端、その兄に乗り換えるなんて、どんな神経してんの」
ドキリとした。
晴人と里美先輩の事も、もう皆に知られている。
そりゃ手を繋いで帰ってるんだから、そうなるだろうけど。
里美先輩は、健先輩とつきあった事なんかない。
言い返してやろうと思ったけど、里美先輩が無視して行こうと囁いた。
私は不本意だったけど、里美先輩の手を引いて、トイレを出ていく事にした。
しかし3人が背後から言った事が、私の怒りに火をつけた。
「三井くんとも仲が良いし。一体どうなってんの」
「大人しそうに見えて、意外と魔性なのはアンタだね」
「そりゃそうでしょ。あんなガラの悪いのとつきあってんだから。この子だって、ろくでもないに決まってんじゃん」
里美先輩が、魔性の女?
ガラの悪い晴人とつきあってるから、ろくでもない?
こんな、可愛い人が?
ふざけんな。
「あのねぇ……っ」
言いかけると、里美先輩は私の手をつかんで。
「……大丈夫。行こう」
そう静かに言うと、私を引っ張って生徒会室に戻った。
里美先輩の髪からは雫がポタポタと落ちて、その細い肩を濡らす。
二人のハンカチでそれを拭いていたら、涙が込み上げてきた。
「ごめんなさい……私のせいで」
「違うよ、大丈夫」
里美先輩は苦笑した。
「ああいうの、相手にしちゃダメだよ。こっちが怒っても喜ぶだけだから」
「でも、悔しい……里美先輩の事まで悪く言われて……」
「……大丈夫。大丈夫だから……」
泣き出した私の肩を、里美先輩は背伸びして包んでくれる。
その温かさに、余計涙が出てしまう。
もぅ、と苦笑した後、里美先輩は静かに言った。
「……私、本当に健くんとは何もないからね?」
「わかってます……」
「あと……晴人くんには、言わないで」
「えっ」
その顔を見返すと、黒目がちな瞳に涙が浮かんでいるのがわかった。
きっと里美先輩だって、悔しかったんだ。