双子ですけどなにか?【修正終わりました】
【晴人】屋根になった日
返事しろっつったって……。
彩花に渡された手紙を、どうしたものかとながめた。
迷惑なわけじゃない。ただ、どうしていいかわからないんだ。
どうしたら、全く知らない人間にこんな事をしようと思えるんだろう。
一体俺のどこを気に入ったのか、見当もつかない。
顔が立たない、か……。しょうがねぇ。
俺はスマホをとり出し、アプリを開く。
IDを検索しようとして、そこで止まってしまった。
友達登録したとして、そっからどうすりゃいいんだよ……。
わからん。見当もつかない。
俺は一旦、スマホを置いた。
そして、新川先輩のヘアピンを見た。
先ほどの彩花の悪ふざけを思い出す。
『キスしていいか?』
きす……。
「アホか!!」
桃色の妄想をする前に、ヘアピンを手紙と一緒に引き出しに放った。
なんで俺は、こんなにバカなんだろう。
彩花も、彩花だ。メガネに彼女がいるかくらい、最初に聞いておけよな。
……って、俺も新川先輩に聞いてないけど。
メガネに近づく為に、生徒会に入るような、行動力。
向こう見ずとも言うけれど……俺は彩花のそんなところが、少しうらやましかった。
だけどもし、新川先輩もメガネの事が好きだったなら、俺はどちらを応援するんだろう?
そんな事をぼんやり考えるうち、夜は更けていった。