不良狼の一途な溺愛
「へぇー、なかなかいい雰囲気じゃん。結構お似合いかもね。」
「比嘉原君っ!?なっ、何言って…」
「じゃあ、俺…そろそろ帰るよ。あまり長居してると、二人の邪魔になるから。」
比嘉原君はヒラヒラと手を振りながら、さっさと屋上から去っていってしまった。
これのどこが、いい雰囲気に見えるんだろう…?
お似合い…って何が?
疑問点が頭の中にポンポンと浮かんでいた。
もっと長居してくれれば良かったのに…。
私は邪魔だなんて思ったりしないんだから…。
二人きりになってしまったことに気落ちしていると、蓮君はため息をついた。
「やっと落ち着ける。」
「へ…?」
「柚が他の男と話してる姿を見てると、気が気じゃねぇ。」
「ほ、他の男って……比嘉原君は蓮君の幼なじみなんでしょ?」
「そういう意味じゃねぇよ!ったく、こんな調子だと先が思いやられる。」
それはこっちのセリフだよ…。
そう突っ込みながら、冷ややかに苦笑していた時、耳元に蓮君の吐息がかかるのを感じた。