不良狼の一途な溺愛

「お、お腹…空いてるの?」


「まあな。家に財布忘れてきたから昼メシ食べ損ねた。」


「うそっ、お昼抜き!?」


そりゃ、お腹だって鳴るわよね…。


陸都君や比嘉原君に相談すれば、お昼代ぐらい貸してくれそうなのに、何も言わなかったのかしら…。


借りは作りたくない主義なのかな…。


勝手に想像しながら、照れくさそうにお腹を擦る蓮君を見た。


うーん…。


私の持ってきたお弁当はお昼に完食しちゃったしなぁ…。



あっ!!


そうだ、私…食べ物持ってるんだった!!


ハッと思い出して、カバンを開けた。


中から取り出したのは、紙袋に入れておいたマフィン。


今日の午後が調理実習で、その時に作ったものだ。


プレーンとチョコレートの2種類を作ったんだけど、たくさん出来たから家に帰って食べようと思ってたんだよね…。


少しはお腹の足しになるかもしれない。



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