不良狼の一途な溺愛
「柚、どこに行きたい?」
「えっ?蓮君…行きたい所とか無いの…?」
「俺は特にない。柚が行きたい場所に俺も行ってみたいから。」
う、うそ…。
蓮君の思わぬ言葉にビックリしてしまった。
「ほ、本当に!?実は立ち寄りたいお店とかあるんじゃないの?」
無いことは無いでしょ…と疑いながら、もう一度聞いてみたけれど、蓮君からは“ない”という一言が返ってきた。
そ、そこまでキッパリ言われたら、素直に従うのが良さそう…。
あまりしつこいと、怒りだす可能性があるし…。
私は辺りをグルッと見回した。
「それじゃあ、あのお店に入ってもいい?」
私が指差したのは、少し先に見えるクリーム色の看板。
実は駅前にショッピングをしに来る時、必ずと言っていいほど立ち寄る、お気に入りのお店だ。
可愛いアクセサリーや雑貨が多くて種類も豊富。
新作もこまめに発売されるから、いつ来ても飽きないんだ…。
「よし、あの店だな。」
蓮君は嬉しそうに目を細めると、優しく私の手を引いて、お店の方へと足を進めた。