不良狼の一途な溺愛
「ったく。私が大人しくしていれば、調子に乗って蓮の彼女気取りだなんて、本当にムカつく奴ね。」
早崎さんはチッと舌打ちすると、私の周りをゆっくり歩きながらジッと睨みつけてくる。
かなり怖い。
何も出来ずに震えながら立ち尽くしていると、私の背後に回った早崎さんに背中をドンッと勢いよく押された。
「きゃっ…!」
強い反動で、そのまま転んでしまった私。
ゆっくりと体を起こすと、膝にはジワリと血が滲んでいた。
「蓮は私のものなんだから、アンタは立場ってモノをシッカリわきまえなさいよ。」
見下ろす早崎さんの目は、とても冷たかった。
怖くて逃げたい気持ちが高まっていく。
でも、腰が抜けてしまって立てない状態だ。
ぴ、ピンチ…。
早崎さんと取り巻きの女の子たちに囲まれて、睨まれるような視線を落とされ、体が小刻みに震えた。
蓮君……。
こんな時、蓮君が来てくれたら…何とかしてくれそうなのに……。