不良狼の一途な溺愛
「あの、古びた倉庫の場所って…分かりますか?」
私は、その言葉を口にしていた。
不良の溜まり場に行くなんて、怖くてたまらない。
微かに手が震えているのが自分でも分かる。
だけど、このまま蓮君の家に引き返したくない。
もしも、黒賀っていう不良と何らかの理由でケンカになったとして、それが学校の先生に…
特に生活指導の室芝先生が知ったりしたら、今度の処分はもっと重くなるはず…。
謹慎中のケンカ…。
場合によっては、退学処分になるかもしれない…。
そうなったら、もう…学校で蓮君と会えなくなっちゃう…。
そんなの……嫌だ。